★解禁その8★
たまちゃんの「玉手箱あけたら…」 第8話
★村上先生より★ 不登校は、20万人、心療内科にかかる人は、もう数えきれないくらいいる。そんな人達の目に触れて、勇気をもってもらえると嬉しいなぁ。
★シェア大歓迎★
CHP研究会以外の皆様にも広く読んで頂けることを願ってます。
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少しだけ時間をもどします。
私がCHPに出会ったのは、偶然ではありません。ものすごく欲していたからです。
HTP2期として学び始めたころ長女の不登校は始まりました。
月に1回のセミナーとその後の懇談会は、当時の自分にとって至福の時間でした。しかし、他の先生やスタッフがいかに医院を良くしていくかを考えているのに、自分の一番の問題は長女でした。
コミュニケーション能力を磨いて、長女の不登校を治したい。
セミナーの中で諸井先生から言われた言葉
「コミュニケーションはなあ、かみさんや子供ととるのが一番難しいんや、それがバッチリできたら怖いもんなしやで。」
なるほどと思いつつも、ショックでした。
そしてもう一つ、“自分が源泉”この言葉も心の隅に引っかかっていました。
6ヶ月後、妻と子供3人を修了式に呼び、長女に向けて訴えました。
自分としては、少しは伝わると甘く考えていました。
無理やり連れてこられた子どもたちは、ふてくされ、ゲームをしている始末。
帰宅後、子供たちからは不満の声しか聞かれませんでした。
なかでも次女から言われた言葉
「あれじゃさらしもんだね、気持ちいいのパパだけじゃん。」
わが身のふがいなさに落ち込みました。
自己満足だったのか、思いがたりなかったのか、誰のための発表なのか、悩みました。
そして、答えが見つからないままCHPから離れ、悶々とした日々を過ごします。
その間、妻が病気になり、働かなくなり、母が亡くなり、薬にはしり・・・
自分の考えられるどん底まで落ち、一つの答えにたどり着きました。
自分だ。自分を変えないと。
大嫌いな自分。自信もない。どうすれば?
そこからいろんな本を読みあさり、考えました。
自分をみつめるための本、みとめる本、あり方を考える本。
読めば読むほどあまりに自分のことを知らなかったことに気づきました。
長女のことはどのくらい知っているのか?
新たな問いが湧いてきました。
彼女のことが知りたい。
でも話してはくれない。どうする。
そのころ長女は起きている時はずっと本を読んでいました。現実逃避。
どんな本を読んでいるんだろう?
クビキリサイクル 西尾維新
なんて題名だ。これは無理か、でも読んでみよう。
読んでみると、見た目とは違って読みやすく意外と面白かったので、本を返す時に
“面白かったよ”と声をかけると “どこが?”と久しぶりに長女の言葉。
返事が返ってきたのでびっくりしながらも、主人公や登場人物の話をするとものすごい勢いで喋り出しました。そしてひとしきり話した後、無言で続編を8冊渡されました。
クビシメロマンチスト、クビツリハイスクール、サイコロジカル上・下、ヒトクイマジカル、ネコソギラジカル上・中・下。
すべての本を読み、感想を話し合いました。
気がつくと2時間、3時間経っていました。
目の前に小さいころ夢中で遊んでいた時の表情をした長女がいます。
ああ、忘れていたな、この顔が見たかったんだなぁ。学校行かなくても、こんな顔でずっといてくれたらそれでいいなぁ。
そんなことを考えていると、お父さんの本も読んでみたいと言われました。
その後は毎日、本の話をするようになりました。
少しづつ本以外の話もするようになってきました。
あれほどなぜ学校に行かなかったかと聞いても無言だった長女が、ポツリポツリと当時の心境を話し始めました。
それを聞いて私は号泣しました。
なんて自分はバカだったんだと。
なんで、あの時に聞いてあげられなかったのか。
ひとつではなかった。
たくさんの事が重なって、彼女は動けなくなってしまった。
その動けない彼女を私と妻は無理やり動かそうとした。
上から乗っかって押しつぶしていた。
“本当に辛かったな。パパごめんな。あやまるよ”
やっとの思いでそういうと、抱きしめました。
抱きしめられた娘は、小さな声で言いました。
“今からでも高校受験できるかな、妹と同じ学校に行けるかな、パパと一緒に働けるかな、衛生士さんになれるかな”
私は答えました。
“もちろん、大丈夫だよ”
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CHP研究会 会報誌CHAPPY連載「玉手箱あけたら…」
村上先生
読んでくれて、何かを感じてくれたら、嬉しいなぁ
みなさまのココロに届きますように
★シェア大歓迎★
CHP研究会以外の皆様にも広く読んで頂けることを願ってます。
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