たまちゃんの「玉手箱あけたら・・・」その7

★解禁その7★

たまちゃんの「玉手箱あけたら・・・」第7話

不幸の玉手箱が、「幸福」の玉手箱になる日がくるのでしょうか?
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父からの電話。午前11時頃。診療中。

 

“朝、いつものように声をかけたが寝ているようなのでお昼の買い物に行き、帰ってきてもまだ起きてこないので、起こしに行ったら息をしていなかった。”

 

電話を切った後も、診療を続けた。   らしい。

覚えていない。

現実逃避をするように、いつもより明るく3人の治療をしたらしい。

 

午後、母に対面。

警察署の安置所。

 

扉の前で妻が言った。

“二人きりで話してくれば。その方がいいでしょ。”

 

この言葉にすくわれた。

だまってうなずき、扉をあけた。

 

顔の上の白い布をはずす。

眠っている、、、

 

その瞬間、大きな水風船が頭の上ではじけた。

顔がびしょびしょになる。

間に合わなかった。ごめん。

 

全部なくなった。虚無。

なにも考えたくない。なにもしたくない。

なにも考えたくない。なにもしたくない。

 

唯一の安全な場所が無くなった。

もう大丈夫と言ってくれない。

なんのために生きるのか。

こんなに辛いのに。

苦しみから逃れたい。

どうしていいのか、わからない。

 

それでも、日常はやってくる。

ふつうに(?)仕事をこなすが、心は固まったまま。楽しくない。

 

本を読む。

今の状態は、すべて自分が引き起こしたこと。

神様は越えられない困難を与えない。

 

嘘だ! 本を破り捨て、壁に投げつける。

 

ダメな自分と向き合えば、向き合うほど、自分が大嫌いになっていった。

長女の不登校、妻の病気、母・・・・眠れない。

 

心療内科にかかり、薬をもらう。

吐く。

心に鉛がたまり、動けなくなる。

仕事ができない。

明日こそ、明日こそと思うが、仕事にいけない。

 

2か月がたったころ、姉からの電話。

頑張れって言われるんだろうなと、いやいや電話に出る。

 

“覚えてる?前の日、お母さん、あなたに電話するって言って、私が電話をかけたの。”

 

“?!”

 

“夜遅いから、明日にしようって言ったのに、どうしても話すと言ってかけたんだよ”

 

“あれが最後になっちゃったね。”

 

えっ、そうだっけ?かすかに記憶がよみがえる。

 

“あなたはあなたのままでいいから。いつも応援してるからね。”

 

頭のおくで声がした。

思い出した!!!

 

頭の上の水風船が再び破裂した。

 

生んでもらったんだ。ありがとう。

育ててもらったんだ。ありがとう。

愛してもらったんだ。ありがとう。

 

かえさないと・・・・

 

薬をゴミ箱に全部捨てた。

 

たま

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CHP研究会 会報誌CHAPPY連載「玉手箱あけたら…」

村上先生

 

読んでくれて、何かを感じてくれたら、嬉しいなぁ

みなさまのココロに届きますように

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CHP研究会以外の皆様にも広く読んで頂けることを願ってます。